介護や福祉関係の仕事に就きたいと考えている方や、すでに介護職についており、キャリアアップを目指したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

福祉関係にはさまざまな職種がありますが、今回は「生活相談員」をテーマに資格取得のために必要なステップを紹介します。さらに、生活相談員の資格を取得するための勉強法もあわせて見ていきましょう。

介護職や福祉職に就いている方なら、一度は「生活相談員」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

しかし、実際どういった仕事なのか、生活相談員の資格を取るとどのようなメリットがあるのか、詳しくはわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、生活相談員の仕事内容や役割に加え、資格の概要を見ていきましょう。

生活相談員とは、介護施設や福祉施設などで、福祉サービスの手続きを行うことに加え、実際にサービスを利用する方のみならず、家族がかかえる悩みや希望などの相談に乗る職種です。

また、サービスの利用を希望している方が、しっかりと適切なサービスを受けられるように、役場などの行政機関のほか、ケアプランを作成するケアマネジャーなどと調整を行います。

専門的な知識はもちろん、福祉関係の実務経験がなければ、実際の業務を行うことは難しいでしょう。そのため生活相談員になるには、福祉関係の資格が必要です。

生活相談員なるには「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」のいずれかの資格が必要であり、それぞれ取得するために条件が設けられています。

たとえば社会福祉士資格を取得するには、大学で指定科目を履修するか、福祉施設などで実務を4年経験したあとに、社会福祉士短期養成施設に6か月以上通わなければなりません。

また、精神保健福祉士を取得する方法のひとつには、保健福祉系の大学にて指定科目を履修し、社会福祉士の資格を取得したあとに、短期養成施設に6か月以上通うなどがあります。

資格を取得するためには、さまざまな条件がありますが、生活相談員として活躍するには、しっかりと知識と経験を身につけることが大切であり、キャリアアップのためにも資格取得を目指すのがいいでしょう。

ただし、自治体によって生活相談員になるための資格が異なる場合があるので、資格取得を検討している方は、それぞれの自治体が公表している要件を確認することが大切です。

生活相談員は、介護や福祉サービスの利用を希望している方や家族からの相談に乗ったり、実際にサービスを受けるときの説明を行ったりするのが主な業務です。

そのほか、行政機関やケアマネジャーとの調整に加え、サービスの契約手続きなども行います。実際にサービスを受ける中で生じた問題について、改善策を提案するなど、問題改善に関する業務も行います。

介護士や介護福祉士は利用者と直接かかわる仕事ですが、生活相談員は利用者だけでなく、家族や行政機関など、介護や福祉サービスにかかわる人や機関との仲介役とイメージするとわかりやすいでしょう。

自治体によっては、介護福祉士や施設長経験者も生活相談員と同じ業務を行うことが認められています。

ただし、生活相談員はサービス利用者のみならず、行政機関やケアマネジャーとのあいだに入って、さまざまな課題や問題を調整しなければならないので、専門的な知識や経験が必要とされています。

したがって、生活相談員になるために必要な社会福祉士や精神保健福祉士の資格が必要ない自治体であっても、資格を取得することで専門的な知識を学べるほか、より円滑で精度の高い業務を行えるようになるでしょう。

社会福祉士や精神保健福祉士の資格を取得することで、専門的な知識を身につけられ、より効率的かつ質の高い業務を行えるでしょう。

とはいえ、資格を取るには、さまざまな内容を勉強しなければなりません。ここでは、資格取得のための勉強法を詳しく見ていきましょう。

生活相談員になるには、社会福祉や精神保健福祉士などの資格が必要になるのが一般的です。そのため、しっかりと勉強と対策をしたうえで受験することが必要になります。

とはいえ、どうやって勉強を進めればいいのか、なにを勉強すればいいのかわからない方も多いでしょう。

まず、資格を取得するには、学習計画を立てることが大切です。いつまでに資格を取得したいかを決めたあと、そこから逆算し、いつまでにどの範囲を勉強するかを決めていきましょう。

そして、継続して学習できるように、1日どれくらいの時間を学習時間に充てられるかも考えておくことが大切です。

社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格を取得するには、しっかりと学習計画を練ることはもちろん、対策を取らなければなりません。資格取得を目指すための参考書がたくさん販売されているので、参考書を活用して、知識を増やしていきましょう。

そのほか、講座を受講するのもおすすめです。参考書を使った自主学習の場合、自分の意志やモチベーションがポイントとなりますが、勉強が上手くいかなければモチベーションが下がってしまい、勉強を継続できないといったケースもあるでしょう。

しかし講座を受講していれば、定期的にスクールに通ったり、オンラインで受講したりできるので、勉強を習慣化しやすいといったメリットがあります。そのため、自分では勉強が長続きしなさそうだという方は、参考書だけでなく講座を受講するのがいいでしょう。

社会福祉士や精神保健福祉士になるには、福祉系の大学で指定科目を履修する必要があります。ただ、4年間大学に通わなければならないので、経済的にも時間的にも難しい方が多いでしょう。

しかし、4年間大学に通わなくても実務経験があれば、社会福祉士の受験資格の条件に満たせる場合があります。たとえば、福祉系の短大にて2年間指定科目を履修した場合、相談援助実務を2年経験すれば社会福祉士を受験できます。

そのほか、相談援助実務4年に加え、社会福祉士一般養成施設に1年以上通うことで、条件を満たすことが可能です。

とはいえ、実務経験を積むには福祉施設で働かなければなりません。そのため、実務経験を積める福祉施設の求人を確認し、未経験でも働けるか、実務経験として認定されるかなどを相談してみるといいでしょう。

社会福祉士も精神保健福祉士も国家資格なので、少し勉強した程度では受験に合格することは難しいでしょう。そのため、しっかりと学習時間を設け、試験対策を練る必要があります。

社会福祉士の試験は19科目あるので、まんべんなく勉強することが大切です。学習方法は参考書を使用したり講座を受けたりするほか、昨今は予備校で授業が開講されているので、時間がある方は予備校を活用するのもいいでしょう。

試験は広範囲にわたるので、毎日継続して網羅的に学習する必要があります。すでに介護や福祉に知識がある方は、自分が苦手な範囲を重点的に学習するのがおすすめです。

また、まったくの未経験で知識がない方は、参考書の最初のページから順番に学習していくのがいいでしょう。

なお、参考書を使って試験範囲をある程度カバーできたら、過去問を解いてみることが大切です。実際の出題された問題を解くことで、どういった問題が出題されるのか、どれだけの難易度なのかを把握できます。

生活相談員になるためには、社会福祉士などの資格を所有しておかなければなりません。ただし、資格を取得するには、大学で指定科目を履修したり、福祉施設において実務経験を積んだりする必要があります。

ここでは、実務経験を積むためのアプローチ方法を見ていきましょう。

実務経験を積めば、資格取得への近道になるだけでなく、実際の業務を経験できるので、資格取得後もスムーズに業務行せるでしょう。ただ、未経験者の場合、いきなり実務を経験することが難しい場合も少なくありません。

そのため、まずは福祉施設でボランティア活動を行うのがいいでしょう。ボランティア活動では、大きな仕事や業務を経験できるわけではありませんが、福祉施設の1日の流れや仕事内容をおおまかに理解できます。

とくに、未経験者の場合、どういった仕事があるのか、どういった流れで進めるのかを詳しく理解していないことも多いので、ボランティア活動を通して概要を理解していくのがいいでしょう。

ボランティア活動だけでは、実務的なところを学んだり、経験したりできないので、より実践的な業務を学ぶためには生活相談員の補助者として働くことをおすすめします。

生活相談員の補助者として働ければ、実際にどういった流れで、どのような仕事をするかを体得できるので、資格取得後もスムーズに業務を行えるでしょう。

福祉施設によっては、インターンシップやアルバイトを募集していることがあり、仕事を通して経験を積むのもおすすめです。インターンシップの場合、学生を対象に募集をかけていることも多いので、学生のうちから経験を積むことが可能です。

また、アルバイトなら時間や曜日を柔軟に決められることから、学業や家事などと両立して経験を積めるでしょう。

生活相談員の実際の業務を学びたい方は、資格を所有している人のもとで経験を積むのがおすすめです。

社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持っている方の指導があれば、自身の資格取得に役立つだけでなく、実務を経験できるので、資格取得後はスムーズに業務行せるでしょう。

資格を取得するには、試験に合格しなければなりません。ただ、はじめての受験で、どういった試験対策をすればいいかわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、試験合格のための対策法を紹介します。

試験対策のなかで重要なのは、実際の試験問題を何度も解き、問題に慣れることです。過去問を繰り返して解くことで、出題傾向や難易度を理解できるだけでなく、時間配分のシミュレーションもできます。

社会福祉士の試験範囲は多岐にわたるので、すべての範囲を網羅的に学習する必要があります。とはいえ、過去の出題傾向から、どの範囲が重点的に出題されるかなどがわかるので、出題されやすいところを徹底的に勉強しましょう。

通常、資格試験は指定の試験会場で行われます。試験会場によって広さや空調管理などに違いがあるので、自分の力を出しやすい服装で試験に臨みましょう。

また、温度調整ができるように、上着などを持っていくことをおすすめします。前日はしっかりと睡眠をとり、試験当日に備えることが大切です。

試験会場に行くと、緊張してしまう方がほとんどでしょう。ただ、ほかの受験生も同じく、緊張しているので、自分だけではないと言い聞かせ、リラックスすることが大切です。

また、これまで学習してきた時間を振り返り、自信を持ちましょう。しっかりと学習してきた内容を思い出しながら、着実に解答していくことがポイントです。仮にわからない問題が出ても焦らずにほかの問題へと進み、わかるところからどんどん解いていきましょう。

生活相談員は、サービス利用者や家族、行政機関との調整役のような役割を担っており、介護や福祉業界では必要不可欠な存在です。業務を行うためには、専門的な知識や経験が必要なので、社会福祉士や精神保健福祉士が生活相談員になることが一般的です。

とはいえ、資格を取得するには、福祉施設での実務経験が必要なケースがあります。そのため、できるだけ早い段階から福祉施設で働くことをおすすめします。

アースメイトは、福祉職の専門コーディネーターが転職をサポートしてくれることに加え、未経験者でも応募可能な求人が多数あります。実務経験を積みたい方や福祉関係の仕事に就きたい方は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。