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施設で働く看護師と病院で働く看護師の具体的な違いって何?

施設で働く看護師と病院で働く看護師の具体的な違いって何?
看護師の働く現場は、病院や介護施設など多岐にわたります。
「病院と施設の看護師の違いってどんなところ?」
「それぞれの仕事内容や役割が知りたい」
「病院と施設はどんな人に向いているの?」
と考えている方もいることでしょう。

当記事では、病院と施設の看護師それぞれの役割と主な業務内容、それぞれどのような人に向いているのかまで、詳しく解説していきます。病院と施設の看護師の違いについて知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

施設の看護師と病院の看護師の違い

施設の看護師と病院の看護師とでは、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、役割や対象者、給与面などの違いについて詳しく解説していきます。

【施設の役割】

病院では医師や看護師、リハビリテーションなど、さまざまなスタッフがチームとなり、患者のサポートを行います。看護師はチームの一員として患者のケアをしたり、医師の診療の補助を行ったりしているのが特徴です。

一方、介護施設の看護師は入所している利用者の健康管理をしたり、健康維持のための医療ケアを行ったりしています。病院と介護施設では、看護師の役割も大きく異なるのが特筆すべきポイントです。

病院では医療行為を行う機会が多くあるのに対して、介護施設は比較的医療ケアを行う場面が少ない傾向にあります。施設では、利用者の状態に変化が生じた場合、家族に相談しながら医療機関を受診するよう努めているのです。

利用者の日常生活と治療のバランスをとれるよう、利用者自身はもちろん、他職種と連携し合いながら業務にあたる必要があります。

【対象者】

病院は、病気やケガで来院もしくは入院している患者を対象に看護を提供しています。一方、介護施設では原則的に65歳以上であり、要介護認定を受けている高齢者を対象としているのが特徴に挙げられます。

病院やクリニックなどの医療機関は、治療をメインに提供しているのに対して、介護施設は利用者にとって「生活の場」という点が大きく異なるのが特徴です。

【一緒に働く人】

病院看護師は、医師や看護助手、薬剤師、臨床検査技師、リハビリスタッフ、栄養士、調理師などが在籍しています。さまざまな職種とチームになり、連携を取りながら業務にあたっているのが特徴です。

一方、介護施設は介護職員やケアマネージャー、リハビリスタッフ、生活相談員、栄養士、調理師などが在籍しています。利用者の急変時はもちろん、往診や定期通院などの際に看護師が対応しています。

【給与】

厚生労働省が実施した令和3年賃金構造基本統計調査をチェックすると、看護師の平均年収は498万6,200円でした。月収は344,300円で、ボーナスは854,600円となっています。
※調査対象の平均年齢は41.2歳、勤続年数は9.2年となっています。

病院と介護施設では、給与面がどのように異なるのかチェックしてみましょう。

・病院

日本看護協会による「2021年 看護職員実態調査」をチェックすると、病院で勤務する看護師の給与の平均は以下の通りです。

 病院   386,046円
 診療所  354,563円
※平均年齢42.2歳・勤続9.15年・正規雇用の看護職員の場合です。

病院はベッド数や夜勤回数も多い傾向にあるため、診療所よりも給与が高いと考えられます。

・介護施設

次に、介護施設で働く看護師の給与をチェックしてみましょう。厚生労働省が実施した令和2年 介護事業経営実態調査結果によると、以下のとおりとなっています。
   
介護老人福祉施設 422,652円
介護老人保健施設 448,962円
有料老人ホーム 427,972円
デイサービス   354,319円
グループホーム  397,661円
看護小規模多機能型居宅介護 414,406円
訪問看護     440,368円


上記は、各施設で働く正看護師1名当たりの平均給与です。介護施設は、事業所や施設の違いによって給与が異なるのが特徴に挙げられ、夜勤のないデイサービスは給与が低い傾向にあります。

介護施設の主な種類

介護施設には、さまざまな種類があります。ここでは、介護施設の主な種類について詳しく紹介していきます。

【特別養護老人ホーム】

特別養護老人ホームとは、医療の必要性がそれほど高くない高齢者を対象とする施設を言います。入浴や食事、排泄介助などの介護がメインのため、高いケアを必要とするケースが少ないです。

加えて、特別養護老人ホームでは、入居者が100名以上にならない限り、医師の常駐は必要ないのも特徴に挙げられます。一方、看護師は入居者100名につき3名が常駐するよう義務付けられているため、小規模な施設などで看護師の求人も見かけることがあります。

【有料老人ホーム】

有料老人ホームは、高齢者が生活をするための施設です。他介護施設と比較すると、入居されている方の医療や介護のニーズが低いのが特徴です。医療行為も少ないため、看護師の求人も少ない傾向にあります。

有料老人ホームには、介護付きと住宅型があります。介護付き有料老人ホームは、入居者30名あたり看護師1名が必要であり、入居者が30名以上になる場合は50名当たり1名の看護師を配置が必要です。また、住宅型はこの限りではないとされています。

【介護老人保健施設】

介護老人保健施設は、要介護者であり在宅復帰を目指している方を対象としている施設です。入所している利用者が、可能な限り自立した生活を送れるよう、リハビリテーションをメインに行っているのも特徴に挙げられます。

介護老人保健施設は「老健」とも呼ばれている施設です。施設によっては「介護老人保健施設」や「老人保健施設」と名称が混在しているケースがありますが、どちらも同じサービスを提供する介護保険の給付対象施設です。

日常の介護を受けながら、医師や看護師による医療、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などによるリハビリを受けられるのが魅力でしょう。

【デイサービス】

デイサービスは、通所介護とも呼ばれているサービスのことです。要介護状態となった場合も、利用者が居宅にて、持っている能力に応じた生活をできる限り営めるようサポートします。

利用者の生活機能の維持もしくは向上を目指し、必要な日常生活上の世話および、機能訓練を実施しています。このような取り組みによって、利用者の社会的孤立感の解消および心身の機能維持を図れるのです。

それだけではなく、利用者を支える家族の身体的・精神的な負担軽減を図る目的で提供されていることも特筆すべきポイントです。

施設で働く看護師の仕事内容

施設で働く看護師の役割や、仕事内容などはどういったものでしょうか。ここでは、施設で働く看護師の仕事内容について、詳しく紹介していきます。

【健康管理に関する業務】

介護施設では、利用者の日々のバイタルサインのチェックを実施して、体調や食欲、顔色などの確認を行い、利用者の些細な体調変化も見逃さないよう努めます。

介護が必要な利用者は、自分で爪切りや口腔ケア、耳垢の除去などのケアができないことが多いため、看護師が必要に応じてサポートしています。

また、介護施設は基本的に医師が常駐していないため、利用者が体調を崩したり転倒してケガをしたりした際の対処も必要です。急変時にも慌てずに、スピーディーかつ冷静な判断と対応力が求められます。

【介護業務】

小規模な有料老人ホームやデイサービスなどの介護施設などでは、看護師も介護業務を実施するケースがあります。食事や入浴、排泄などの介助は基本的には介護士が担当しますが、看護師も一緒に関わりって健康をサポートすべき場面があるためです。

排泄ケアや入浴時などに利用者の肌の状態をチェックして、褥瘡の有無を確認することも重要な業務だと言えるでしょう。

また、施設ではレクリエーションなども行われています。レクリエーションは、利用者の生活維持に大きな役目を持っているとされています。

基本的には、こちらも介護士やリハビリスタッフが担当していますが、看護師も進行のサポート役として参加するケースが多いです。このような機会は、利用者の様子を観察したり、他職種と連携したりできるチャンスだと考えられます。

そのほかには、施設内の介護士やリハビリスタッフ、栄養士などと打ち合わせや、カンファレンスなども行われます。利用者の体調変化などを共有する重要な業務なので、しっかりと参加しましょう。

【医療業務】

介護施設で働く看護師は、相対的医療行為と呼ばれる医療業務も行います。これは医師の指示のもと行われるものであり、原則として看護師のみが実施可能です。

痰の吸引や胃ろうの管理は、一定の研修を修了した介護スタッフも可能ですが、医療行為が必要な利用者に対して、看護師が大きな役割を担っていると言えるでしょう。

急性期の病棟のように、利用者の容体が急変することは比較的少ないので、ルーティーンに沿った業務を行うケースが多いのが特徴に挙げられます。

しかし、さまざまな持病を抱えている高齢者は状態変化が生じやすいため、ささいな変化や不調をとらえていくことが重要です。

病院で働く看護師の仕事内容

病院で勤務する看護師は、医師の診療サポートを行いながら患者の回復をサポートする役割を担います。勤務先や配属先によってさまざまな違いがありますが、以下に記載した基本的な看護業務は共通しています。

【診療補助】

医師の指示に従って、血圧や体温の測定、必要に応じ採血や点滴、注射などを行います。診察に使用する道具を準備したり、カルテの記録や整理を行ったりといった業務にも対応しています。

【入院患者のケア】

入院患者の入浴や食事、排泄など、身の回りのサポートや治療の介助を行います。医師の指示に沿って検査や点滴の管理を行いつつ、健康状態をチェックします。また、患者本人や家族への説明などのやり取りも業務のひとつです。

・病院の種類によって異なる

病院の種類によって、看護師の担う役割が異なります。なぜなら、患者の重症度や対象疾患が異なるからです。

たとえば、特定機能病院なら急性期看護、療養型病院で働く場合は看取り看護に関する知識が必要です。

・外来や病棟

病棟や外来、手術室など、看護師の配属先はさまざまですが、配属される部署によっても仕事内容は異なります。

外来看護師は、医師が来院した患者を診察する際に補助する仕事です。内科では、医師の診察がスムーズにいくように患者の服を脱がせたり、ベッドに寝かせたりするなどのサポートを行います。

外科では、消毒液やガーゼなどを補充したり、患者の処置を行ったりするほか、手術予定で入院される方への説明も行います。

入院している患者のケアをする病棟看護師は、病院の規模に関係なく、採血や点滴、ガーゼ交換、清拭、食事や排泄介助など同じような業務内容です。

・手術室やICU

手術室看護師の業務は、術野を見ながら執刀する医師にメスやクーパーなどを渡す直接介助と、患者の体位変換や状態確認、医療機器の準備などを行う間接介助の2種類があるのが特徴です。

大きな病院の中にある集中治療室で働くICU看護師は、変化の激しい患者の容態に対応できる能力が求められています。

ICUでは患者の状態観察や管理、医療機器の操作などを行います。些細な変化や兆候を見逃さないように異常の早期発見につなげていく必要があり、その観察力がICU看護師の腕の見せ所と言えるでしょう。

どんな人に向いている?

ここでは、それぞれどのような人に向いているのか詳しく解説していきます。

【施設勤務に向いている人】

施設勤務に向いている看護師は、以下のような人です。

・自分のペースで働きたいと考えている人
・高齢者とのやり取りが好きな人
・さまざまな立場の人と連携を取りながら仕事をしたい人
・高齢者の介護やケアなどに興味のある人

介護施設では突発的な残業が起こりにくく、自分のライフスタイルに合った働き方をしやすいです。利用者の健康状態を把握したり、服薬管理を行ったりすることが主な業務であり、高齢者とコミュニケーションをとるのが好きな人に向いているでしょう。

また、介護施設では介護職員やリハビリスタッフなどと、緊密に連携を取る必要があります。他職種とこまめにやり取りをできる人にも向いていると考えられます。

介護施設では高齢者看護や認知症、ターミナルケアなどさまざまな分野について学びを深められるのが魅力です。そのような分野に関心のある方にもおすすめです。

【病院勤務に向いている人】

病院勤務が向いている人は、以下の方です。

・コミュニケーション能力のある人
・協調性がありチームで働くのが好きな人
・患者の思いに寄り添える人
・体力に自信のある人
・精神的にタフな人
・物事を客観的にとらえられる人
・ストレスをため込まず上手に発散できる人

病院は、医師や薬剤師、同僚の看護師など、さまざまなスタッフと連携を取りながら業務にあたるため、協調性やコミュニケーション力が必須です。

部署にもよりますが、夜勤があったり寝たきりの人の介助も行ったりするため、一定以上の体力がないと難しいかもしれません。患者が急変したり看取りをしたりすることも多々あるので、感情に流されずに業務を行う必要もあります。

病院には、さまざまな状況の患者が入院しています。不安や悩みを傾聴することはもちろん、その人が置かれている状況、家族との関係性なども理解しなければなりません。ストレスをため込まず、常に物事を客観的にとらえられるタイプが向いているでしょう。

まとめ

治療を目的とした場所である病院と、利用者の生活の場である介護施設では、看護師に求められる役割が大きく異なります。業務内容や給与などそれぞれの違いをしっかりと把握して、自分に合った職場を見つけるのが望ましいです。

職場選びに迷ってしまう方は、労働者派遣事業や職業紹介事業などを行っている事業者に依頼するのもひとつの方法です。

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